ホイールベアリングの寿命を計算してみた
リアのホイールベアリングが少なくとも40000㎞は無交換なので、交換しようと思って情報収集のためにネットの海を彷徨っているとNTNのHPにこんなものがありました。
http://www.ntn.co.jp/japan/products/catalog/pdf/2202_a03.pdf
基本定格寿命(L10)ってやつですね。ある程度の個数のベアリングを同じ条件下で運転したときにそのうち90%のベアリングが壊れずに回転できる総回転数の事です。10の6乗回転を単位回転数として表されます。
そんなに難しくなさそうだったので計算してみることに。
ホイールベアリングは玉軸受けなので上の式ですね。
ベアリングは規格品なので、代表的なベアリングメーカーであるNSKでもNTNでもナチでも呼び番号は同じです。呼び番号の後ろについているアルファベットが会社によって違うだけです。このアルファベットはベアリングに付いているシールの種類を表すところです。
計算する前提として、スラスト荷重は無視します。ラジアル荷重に比べてごく小さいでしょうしそもそも算出方法が自分にはありません。もっと言うとラジアル荷重もバイクの総重量から何となく想像するだけなので非常にいい加減な数字が出てくると思いますがまぁ個人の興味なので許して下さい。
ラジアル、スラスト荷重ってそもそも何って方はこちらの画像を。スラスト荷重はアキシアル荷重とも言います。
まずCBR1100XXのフロントホイールベアリングの呼び番号は6004です。確か。ちょっと自信ないです。交換したの1年以上前なので・・・
メーカーのカタログに基本定格荷重Cは載ってます。上の画像では単位がkgfですが自分の見たカタログはNだったのでこちらで計算しました。
C=9.40kNでした。
次にラジアル荷重ですが、自分の体重が60㎏なのでバイクの総重量320㎏位になります。バイクの重量配分は基本的に前後で50:50になっているらしいのですが、CBR1100XXはわりと前傾なので60:40くらいで計算すると前輪にかかる荷重は192㎏になります。
また、ブレーキを掛けたり段差を超えた瞬間などはかなりの荷重がフロントにかかると思うので平均して220㎏位にしときます(適当)。これで計算すると
P(ラジアル)=220×9.8=2.156kN
後は上の式に代入して計算していくと
L10 =82.87762388・・・・
つまりこのベアリングは、82877623回転までは90%の信頼度で運転できるってことですね。
フロントタイヤの直径は600㎜なので一周は1.8849mです。L10とかけて走行距離を計算すると
走行距離=156216㎞ となります。
15万6千キロ?
理論値ってすげぇ~
まぁ実際は雨降ったり気温変化があったりゴミが入ったり瞬間的な衝撃荷重などでベアリングはもっと厳しい環境下におかれますし、タイヤが減ったりバンクさせれば走行距離はズレるしスラスト荷重はかかるしでもっと短くなるんでしょう。実際自分は40000㎞でフロントのベアリングはダメになりました。
あと、今気づきましたけどキャスター角によってラジアル荷重も変わりますね。
もうなんだか色んなファクターを無視した計算なので意味はないですが、車なんかだと10万キロでベアリング無交換なんてざらにあるのでそこまでぶっ飛んだ数値ではないのかなと思います。
おまけ
ベアリングには許容回転速度という数値もあります。ベアリングの潤滑方式によって変わります。単位は1/minで1分間に回転できる限界の回転数で表されます。呼び番号6004のベアリングはグリース潤滑で17000回転/minです。
これをもとに時速何キロまで耐えられるのか計算してみると・・・
1917.6㎞/h
すごい安全率ですね。
出しちゃダメですよ・・・?
おわり